「花は足で生けろ」
まさか!足で生けるのは至難の業です。ここでの足とは、花を歩いて探せ!という意味です。
現在は無闇に花を切ることはできませんが、花屋や生産地に出向いて探すことはできます。
しかしながら経験を積まないと「どんな花が良いのか?」わかりませんね。
どのような場所に、どのような花器に、何のためにいけるのか?様々な条件があり、適材適所の花を探さなくてはなりません。
特に古典の花では様々な条件があり、花を見極める目を養う必要があります。
「花のことは花に聞け」
これまた、まさか花に聞くわけにもいきませんが、花を見つめて、観察することで花が見えてきます。先人たちは花をよく見て観察して、どのように花や枝が出ているのか?花が咲き終わったらどうなるのか?など時間をかけて観察したのでした。
つまり、すべての答えは花の中にあるということです。そしてそれを極めることで、「花と心を通わせる」ことができるようになるのです。
「花のいのちは短い」
これはそのままですね。花は刹那に咲いて、枯れていきます。人間の時間だとあっという間です。
花の命はどれくらいでしょう?花や環境、季節、管理により違いますが、花屋さんで売られているよく見かける花(薔薇やアイリスなどで3日〜5日くらい)、花びらに見える部分が萼(カラー、アンスリュームなど)で1週間もてば上出来でしょう。日本の在来種は極めて短くて、「カキツバタ」と言いうアヤメ科の花は花が咲いてとても良い状態はほんの一瞬です。
いけばなはそんな一瞬を生ける、とても贅沢な行為です。
如何に切られた花を長持ちさせるかの技術として「水揚げ」があります。古来から「水揚げ」の技術は秘伝とされ守られてきました。(現在は科学的に研究され、様々な水揚げ剤があります)
切り離された花はやがて枯れる運命 その刹那の命の芸術