器と敷板の話

いけばなについて

伝統的いけばなは床間に生けられていたので、様々な約束事が決められてきました。
特に花器と敷板の組み合わせは和服でいう「着物と帯」の関係のように決められていました。また、「茶道」でも道具の組み合わせについて決められていました。能阿弥・相阿弥により記された「君大観左右帳記」にはそのような道具などの組み合わせが掲載されています。
また「真行草」それぞれの線引きは曖昧で、「ハレ」と「ケ」の区別の方が重要かもしれません。

真の器と敷板

真の器

真の器とは原則が大陸からの渡来ものです。これが最も格式が高く、フォーマルなものと考えられていました。「式日の日」(正月、結婚式、葬式など)に生けられました。金属器では銅器、焼物では青磁、白磁など塗物では「真塗」がそれに当たります。

真の敷板

真の器には真の板を合わせますが、真の板とは「真塗」と言われるピアノのような鏡面の塗り物、またはそれを磨いたもの、特に格のある木材でできたものなどです。形も様々です。足のあるものは「花台」ないものは「敷板」と呼ばれています

行の器と敷板

行の器

「行」は「竹製」「陶器」「真塗以外の木製」でややカジュアルな洒落たものが目立ちます

行の敷板

行の板は「目はじき塗」(表面に木目が残るもの)や「溜塗」など

草の器と敷板

草の花器

草の花器は行よりもさらに緩やかなイメージのものです。特にこれというものではないですが、篭やガラスのもの、形が緩やかなものなどが挙げられます。

草の敷板

草の敷板は花器に合わせた板、花台になります。緩やかな形の器にかっちりとした四角形の板は見た目にも釣り合いが悪いと思います。天然の形状の板や生地、すのこなどが使われることが多いです。